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HER2タンパク(IHC)

human epidermal growth factor receptor-2 

分類 病理学的検査 - 病理組織検査

検査コード 3083-000000
JLAC10 5D590-0000-070-666-49 
検体量 パラフィンブロック/未染色標本  採取容器 W R
保存条件 常温  所要日数 6~13 
検査方法 免疫組織化学染色法  基準値    
実施料 690点 判断料 病理学的検査(130点) 
保険収載名 免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製 HER2タンパク 

検体取扱・備考

[出検時の注意]
1.10%中性緩衝ホルマリンを用いてください。

2.病理組織検査専用依頼書に「HER2タンパク」とご記入ください。

3.予め、病理組織検査結果において浸潤性乳癌と診断され、その部分を含んだパラフィンブロックまたは未染色標本をご提出ください。

4.未染色標本をご提出いただく場合は、以下の点にご注意ください。

1)ご提出いただく標本は、以下の条件を満たしてください。
・ 4±1μmの厚さに薄切・採取されたパラフィン切片
・ シランコーティング加工スライドガラスを使用
・ 40±3℃の孵卵器中で充分(一昼夜)乾燥させた標本
・ 切片にしわの無い標本

2)標本は必ず4枚以上提出してください。

3)搬送の際には、スライドガラスの切片に傷が入らないようにご注意願います。

臨床的意義

・HER2タンパクとは、Human Epidermal Growth Factor Receptor 2(ヒト上皮増殖因子受容体2)と呼ばれる蛋白質の略称で、種々の腫瘍において過剰発現しています。
・HER2は細胞の増殖に深く関与しているため、HER2の過剰発現は一般に予後不良を示唆する場合が多いとされています。
・トラスツマブ(商品名:ハーセプチン)は、このような癌遺伝子の知見を応用した抗癌剤で、HER2タンパクを標的とした抗体医薬です。
・HER2タンパクの発現度は、トラスツマブの治療効果を推定する指標となります。
・わが国でのトラツスマブの使用は、当初「HER2過剰発現が確認された転移性乳癌」(Ⅳ期乳癌および肝・骨・肺などの再発乳癌)のみの適用でしたが、2011年3月より「胃癌」(HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発胃癌)にも適用が認められました。

異常値を示す主な疾患・状態

・異常所見:HER2過剰発現

検査値に影響を及ぼす要因

・特になし

保険点数

注 釈 HER2タンパクは、半定量法又はEIA法(酵素免疫測定法)による病理標本作製を行った場合に限り算定する。

HER2遺伝子標本作製とHER2タンパクを同一の目的で実施した場合は、3,050点により算定する。

HER2タンパクは、化学療法歴のある手術不能又は再発乳癌患者に対して、過去に乳癌に係る本標本作製を実施した場合であって、抗HER2ヒト化モノクローナル抗体抗悪性腫瘍剤の投与の適応を判定するための補助に用いるものとして薬事承認又は認証を得ている体外診断用医薬品を用いて、HER2低発現の確認により当該抗悪性腫瘍剤の投与の適応を判断することを目的として、本標本作製を再度行う場合に限り、別に1回に限り算定できる(乳癌に係る初回の本標本作成を令和 6 年 3 月 31 日以降に実施した場合にあっては、令和 8 年 5 月 31 日までの間に限る。)。なお、再度免疫染色が必要である医学的な理由を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。